書籍「岐阜発 イノベーション前夜」執筆を通して考えたこと
(日本生産性本部茗谷倶楽部会報第78号寄稿文)
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三輪知生(経営塾2期)
執筆を進めるにあたって考えたこと
そこで改めて、情景の豊かな描写による表現力ではなく、文章構成力で読者に訴求しようと考えました。参考としたのは、映画のシナリオなどで多用されている、物語(ストーリー性)のパラグラフです。それは「ヒーローズ・ジャーニー(英雄の旅)」と呼ばれる段落構成で、的確にパターン化されたステップを踏み進めることで次第に読み手は引き込まれ、主役に感情移入して、共に艱難辛苦を乗り越えて…というものです(こちらも詳しくは、検索してお調べください)。この黄金パターンを参考に、自著に用いる文章構造を次のように決めました。
執筆にあたっては、はじめに生産性出版の村上直子副編集長から、「一冊の本として完成させるには、12万文字を書く必要がある」との指令がきました。書く習慣があったこともあり、その文字数に特段驚くことはありませんでした。まずは取り上げる事例を業種別分類で10事業者と決め、事例の紹介だけでは自論が展開できないので、1事業者あたり1万文字として、2万文字を自論の展開にあてようと、何の根拠もなく数値定量的に仮決定しました。事例の紹介については、物語(ストーリー性)を最も重要な必要条件として、構成を練りました。
10事業者の事例紹介の10万文字のパラグラフは、以下の内容構成となっています。
2019年4月より村上副編集長と企画会議を重ね、参考となる書籍の紹介を受けるなどして書籍のアイデアを固めていきました。「企業支援」に関わり、「地方創生」に関わり(茗谷倶楽部会報第77号「地方創生カレッジ:地方創生リーダーの人材育成・普及事業」参照)、大学院での研究テーマであった「イノベーション」のキーワードも盛り込みたいと考えました。そうした想いと共に、書店に並べて売れる本となることを意識して、タイトルは「岐阜発 イノベーション前夜-小さな会社を『収益体質に変える』事業のつくり方」と決まりました。