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[シナリオ]Turning Point モノづくり編304 事業拡大のため 新たな手法で人材確保!

2018.06.26

事業拡大のため 新たな手法で人材確保!

 

株式会社エス・ケイ・ワイ(可児市)

[全文公開]番組シナリオ

1.背 景

ここは可児市の工業団地内にある小高い丘の上の保育園。仕事前の父親、母親が毎朝子供の手を引いてやってくる。今年7月にスタートしたばかりのこの新しい保育園は、平成28年度から始まった新制度によって設立された、企業主導型保育事業として民間企業が運営する新しい形の保育園だ。

企業主導型保育事業の制度は待機児童問題を解消し、企業によって異なる多様な就労形態に対応する保育サービスの拡大を行い、仕事と子育てとの両立に資することを目的としている。企業主導型保育のメリットは、保護者の多様な働き方に柔軟に合わせた保育サービスを提供できることにある。

この保育園を自社で設立したのは、当敷地内で自動車用プラスチック部品の製造を行なっている株式会社エス・ケイ・ワイで、園長を勤めるのは社長の娘さんだ。事業の拡大に伴い従業員を採用したいのだが、恒常的な人手不足で採用難に頭を悩ませており、自社での保育園経営に乗り出した。

2.由 来

株式会社エス・ケイ・ワイの横井社長は、タイルの街である多治見市笠原町でタイル用金型のメーカー横井製作所として1979年にスタートの後、時代の流れを読みブラスチック成型用金型の設計・製作へ移行した。業容の拡大に伴い横井モールドに社名変更後も事業は順調に推移していった。

金型製作と並行して、別会社を設立してプラスチック部品の製造にも乗り出し、取引も順調に拡大してグループの中核企業になるまで成長。これが現在の株式会社エス・ケイ・ワイであり、現在の可児市ニ野へ2006年に移転後は、金型から成形、塗装、組み立てまで一貫生産体制を確立した。

2008年には自動車部品メーカーの海外進出に追随してベトナムに進出。翌年に現地工場も稼働して、国内外ともに順調に業容は拡大基調にある。時代の先を鋭い目で読み解き、金型からモジュールまで一貫生産できる能力と、社長の柔和な人柄を強みに、仕事が集約する勝ち組み企業となった。

3.本 題

少子高齢化の大きな波から人手不足、女性の活躍推進、待機児童問題など、企業の成長、事業の拡大にとって根幹をなす労働力問題。海外に生産をシフトするだけでなく、国内においても拡大基調にある当社にとって、従業員を安定的に確保していくことは永遠の課題であり、経営の土台骨である。

この解決策の一つとして横井社長が注目したのが、企業主導型保育事業の制度だった。民間企業が自社の就労環境整備の一環として、また女性が働きやすい就労機会を創出するべく、自ら保育園を設立することに乗り出した。地域の注目度も高く、開所式にあたっては多くの祝電も寄せられた。

大手メーカーの海外進出に伴い日本の産業構造は空洞化し、仕事量が減少傾向にあるのが一般的な業界の動向であるにもかかわらず、横井社長率いるグループ企業は柔軟な発想で時代の先を読み、深刻な社会問題にも取り組み、地域に貢献する勝ち組企業として、これからも成長は続いていく。

4.解 説

日本のモノづくりの土台を支える、金型や部品を製造する中小企業の多くは、苦境に立たされています。完成品メーカーが海外に工場を移転したことから、国内が空洞化するなかで仕事が減っているためです。

ご覧戴いた横井社長は、誠実な姿勢から事業を拡大し続けています。そして、人手不足問題とともに、待機児童問題を解消するべく、保育園を開設しました。柔和な人柄で信頼を獲得し、鋭い眼で時代の先を読み解き、柔軟な発想で常に求められる存在でいられるよう事業展開してきたことが、成功への分岐点になったと云えるでしょう。

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